元祖、本家、本舗の違い

元祖と本家と本舗の違いを知っていますか。

元祖の意味・本家の意味・本舗の意味が分からなければ違いが分かりません。

元祖や本舗の意味と違い、本家は日本の荘園制から生まれた言葉です。

日本の荘園は、朝廷が奈良時代に律令制下で農地増加を図るために有力者が新たに開墾した土地の私有により始まっています。

土地の名義上の所有権者の本家のことは宗家(そうけ)ともいいます。

開発領主(かいほつりょうしゅ)から寄進を受けた領家から、更に寄進を受けた院宮家・摂関家・大寺社が本家となっていたようです。

平安時代10世紀後期から11世紀以降、地方の開発領主らは中央の有力貴族や有力寺社に寄進して荘官として土地の実効支配権を持ちました。

地方の開発領主らは、一定の税を寄進先の受領層に納めていました。

寄進を受けた者が領家になります。

領家の権威だけでは荘園の所有が維持できなくなってからは、権威のある院宮家・摂関家・大寺社等の「権門層」へ領家から領家職の一部を寄進することが行われたようです。

権門層の持つ作合を「本家職」といいました。

本家・領家のうち、荘園の実効支配権を持つ者を本所(ほんじょ)と呼んでいました。

戦国時代になって荘園制は崩壊したことや、太閤検地などで土地には直接の耕作者の権利しか認められなくなりました。

戦国時代になると、本家・領家という「地位」は消滅したようです。

 

次に、元祖・本家・本舗の違いの紹介をします。

 

元祖(がんそ)

 

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元祖と本家と本舗の違いを分かるために「元祖」の概要を紹介します。

元祖とは、物事が起こり始まる意味があります。

「元祖」と同様のニュアンスを持つ言葉には、発祥・起源(起原)・ルーツ・原点・源流・由来・誕生、などがあります。

ある物事の元祖を知るためには、その成り立ちや経緯を探求しなければいけません。

元祖は一つとは限らないで、いくつかの説が主張されることもあります。

元祖の中で最も支持を得ている説が、「通説」や「有力説」などと呼ばれています。

同じ元祖が複数の地域で独立に発祥しているケースもあります。

〇〇の元祖と呼ばれる、地域・場所・人物・宗教・学問・芸事や武芸等の流派などもあります。

次に、本家と本舗の概要を紹介します。

 

本家(ほんけ)

 

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元祖と本家と本舗の違いを分かるために「本家」の概要を紹介します。

本来の本家とは、日本の荘園制における重層的土地支配構造上で最上位に位置づけられる土地の名義上の所有権者のことでした。

本家のことを宗家(そうけ)ともいいます。

現代の「本家」の意味には、

・一族の中心となる血筋の家のこと

・流派などで、そのおおもととなる家

(家元・宗家など)

・分家の出たもとの家のこと

・妻の親のほうの家(里方)、などになります。

次に、本舗の概要を紹介します。

 

本舗(ほんぽ)

 

元祖と本家と本舗の違いを分かるために「本舗」の概要を紹介します。

本舗(ほんぽ)とは、ある商品を作って売り出しているおおもとの店になります。

自分が働いているお店を本舗といいます。

製造元のお店では、「本舗」を店名に添えて用いることも多いようです。

本舗を店名に添えているお店には、

・ひよ子本舗吉野堂・豚とん本舗・河童らーめん本舗・おせんべいやさん本舗

・元祖からあげ本舗・松竹歌舞伎屋本舗・お好み焼き本舗・天ぷら本舗・かに本舗

・ばくだん焼本舗、などがあります。