夜なべの意味、由来、類語、使い方など
「夜なべ」という言葉が出てくる歌を聞いたことがありますか。
昭和時代の中頃までに生まれた人なら、「かあさんの歌」を聞いたことが多いのではないでしょうか。
「かあさんの歌」は、窪田聡作詞・作曲の唱歌・童謡・歌謡曲になります。
「かあさんの歌」は、昭和31年(1956年)に、「うたごえ新聞」で発表されました。
“うたごえ運動”を通じて全国の歌声喫茶に広まりました。
「劇団わらび座」の舞台でも「かあさんの歌」が歌われたようです。
ダークダックスやペギー葉山などの人気歌手が歌ったことで大ヒットしました。
NHKの「みんなのうた」でも放送されてより広い層に知られるようになりました。
「かあさんの歌」で「夜なべ」が出てくるのは、歌詞の初めの部分です。
“かあさんが、夜なべをして、手袋あんでくれた”の部分になります。
「夜なべ」の語源や、「夜なべ」の意味を知っていれば、子供に聞かれたときに正しく教えられます。
「夜なべ」の類語なども知っていれば役立ちそうです。
次に、「夜なべ」の語源・「夜なべ」の意味・「夜なべ」の使い方・「夜なべ」の類語、などの紹介をします。
夜なべの語源と意味
「夜なべ」の語源には諸説あります。
「夜なべ」の意味は、夜に仕事をすることですが語源は定まってはいません。
・夜に鍋ものを食べながら仕事をすることから「夜鍋(よなべ)」になったとする説。
・昼の仕事を夜まで延ばす意味から「夜延べ」とする説。
・昼に夜を並べて仕事をする意味から「夜並べ」とする説。
・夜遅くまで仕事をすることを、夜を述ばす意味から「夜延べ」とする説、などです。
昔は、夜間に行う作業が多く、夜になると鍋で夜食をつくって食べながら仕事たことも多かったようです。
昔の農家の夜なべには、俵編み・草履つくり・縄ないなどの藁仕事がありました。
漁村では、網の繕いなど多種多様の仕事を夜遅くまでしていました。
夜なべの仕事には、粉ひき・糸ひき、などもありました。
夜なべをするのは、秋彼岸から春彼岸までの夜長のときが多かったようです。
共同作業を行う場合は、若者宿や娘宿があてられたりしていたといわれています。
次に、「夜なべ」の使い方・「夜なべ」の類語、などの紹介をします。
夜なべの使い方
夜なべの語源には諸説あります。
夜なべの意味は夜間の仕事になります。
「夜なべ」の使い方では「かあさんの歌」が有名ですね。
島崎藤村の「ふるさと」には、
「ろばたにある古い屏風の側が爺の“夜なべ”をする場所と決まっていました」という文章があります。
「江戸川乱歩随筆集選」には、
「夜は十二時一時まで“夜なべ”をしなければならなかった」という文章があります。
山本周五郎の「さぶ」の中にも、
「“夜なべ”をするほど仕事は多くなかったし、」という文章があります。
次に、「夜なべ」の類語を紹介します。
夜なべの類語
夜なべの語源には諸説あり、どれが正しいのかは分かりません。
夜なべの意味は、夜業・夜仕事・夜間に仕事をする・夜勤、などです。
「夜なべ」の類語には、
徹夜・オールナイト・不眠不休・不寝・徹宵・夜中起きている・夜に仕事をする、などがあります。
関連語や連想させる言葉には、
・残業・星をいただく・寝ずの番・夜も休まない・夜通し起きている・不眠不休
・夜を明かす・宵っ張り・夜明かし・寝食を忘れる・夜の目も寝ず・一夜漬け
・オーバーワーク・苦役・超過勤務・身を粉にする・激務・重労働・激職・労役
・日が沈む・夜間・日没後、などがあります。