霧(きり)、靄(もや)、霞(かすみ)の違いと定義
霧(きり)、靄(もや)、霞(かすみ) 違いを正確に知っている人も少ないのではないでしょうか。
日常生活では皆がそれぞれに持っているイメージで霧・靄・霞を使い分けているようです。
子供に、雲・霧・靄・霞の違いを聞かれても正しい答えを教えられないのは残念です。
雲・霧・靄・霞の水粒は雨粒に比べて非常に小さいものです。
霧(きり)は大気中の水分が飽和状態になったものです。
基本的には雲と霧は同じものになります。
雲と霧の違いは水滴の大きさではありません。
雲の定義は大気中に浮遊した微細な水滴で地面に接していないものになります。
霧が雲と違うところは、大気中に浮遊している微細な水滴で地面に接しているものになります。
次に、霧(きり)、靄(もや)、霞(かすみ) 違いを紹介します。
霧(きり)
霧(きり)、靄(もや)、霞(かすみ) 違いを明確にするために霧(きり)の概要を紹介します。
霧は大気中に浮遊している微細な水滴で地面に接しているものになります。
大気中に浮遊している微細な水滴で地面に接していないもは雲です。
霧が山にかかっているときを考えると、地上にいる人からは雲になりますが雲がかかっている場所にいる人から見れば霧になります。
一般的には、霧を霧の外側から眺めると層雲であることが多いようです。
霧(きり)には、でき方によって放射霧・移流霧・蒸気霧・前線霧・上昇霧などに分けられています。
放射霧 は、水蒸気を多く含んだ空気が冷えた地面に接して冷やされて発生します。
放射霧は、盆地や谷沿いで発生しやすいのが特徴です。
移流霧 は、水温の低い海上や陸地に移動した暖かく湿った空気が下から冷やされることで発生します。
夏の三陸沖や北海道の東海岸などの海霧などが知られています。
蒸気霧 は、湿った暖かい空気が冷たい空気と混ざって発生する霧になります。
前線霧 は、雨粒から蒸発した水蒸気で飽和状態となった大気で余分な水蒸気が水粒になって発生します。
上昇霧 は、山の谷に沿って上昇した湿った空気が露点に達して発生する霧になります。
靄(もや)
霧(きり)、靄(もや)、霞(かすみ) 違いを明確にするために靄(もや)の概要を紹介します。
靄(もや)も雲や霧と同じく大気中に浮遊している微細な水滴です。
靄(もや)とは、大気中に浮遊している微細な水滴で視程(してい)が短くなる現象になります。
視程(してい)とは大気中の見通しです。
肉眼で大気中を見通せる最大距離になります。
靄の発生は、大気中に浮遊している微細な水滴が光を散乱させることが原因です。
霧と靄の違いは視程の長さの違いになります。
気象観測では視程が1km未満の場合は霧といっています。
視程が1km以上で10km未満の場合は靄としています。
霞(かすみ)
霧(きり)、靄(もや)、霞(かすみ) 違いを明確にするために霞(かすみ)の概要を紹介します。
霞(かすみ)とは気象用語ではありません。
霧(きり)・靄(もや)・煙霧などで遠くの景色がかすんでいる様子を表現したものです。
霞(かすみ)は気象学用語ではなく春の季語にも使われる文学的な表現になります。