単純疱疹と帯状疱疹の違い
単純疱疹と帯状疱疹はヘルペスと呼ばれる病気ですが症状は違います。
ヘルペスは疱疹の意味です。
疱疹(ヘルペス)とは、小さいみずぶくれが集った急性炎症性皮膚疾患になります。
昔はヘルペスとは皮膚癌など這うように拡大する皮膚疾患すべてを指していました。
19世紀以降からはヘルペスとは、妊娠性疱疹・疱疹状膿痂疹・疱疹状皮膚炎・単純疱疹・帯状疱疹などの病気に使われるようになっています。
次に、単純疱疹と帯状疱疹の違いを紹介します。
単純疱疹
単純疱疹と帯状疱疹の違いを理解するために単純疱疹の概要を紹介します。
単純疱疹とはウイルス性の皮膚の病気です。
単純疱疹の原因は、単純ヘルペスウイルスの皮膚粘膜への感染になります。
単純ヘルペスウイルスには1型と2型があります。
単純ヘルペスウイルス1型を原因とする皮膚病は主に上半身に発症します。
単純ヘルペスウイルス2型を原因とする皮膚病は主に下半身に発症します。
単純ヘルペスウイルスの感染経路は感染者との接触になります。
単純ヘルペスウイルス1型は、幼小児期に初感染するのが大半で約9割は無症状のことが多いようです。
発熱・口の中の潰瘍・歯肉口内炎が生じる人もいます。
再感染・再発では口唇ヘルペス他が起こることもあります。
単純ヘルペスウイルス2型の初感染のほとんどは性行為です。
陰部に小水疱・ただれ・潰瘍が広い範囲に起きます。
単純ヘルペスウイルスの治療では、抗ウイルス薬の内服です。
熱感のある小水疱が口や陰部にできたらスグに皮膚科の受信をおススメします。
単純疱疹の再発は既にウイルスに対して免疫が出来ているので一般的に軽症になります。
帯状疱疹
単純疱疹と帯状疱疹の違いを理解するために帯状疱疹の概要を紹介します。
帯状疱疹の原因は帯状疱疹ウイルスです。
帯状疱疹ウイルスの初感染では水痘(みずぼうそう)になります。
水痘に感染した時に、後根神経節内にウイルスが潜伏します。
帯状疱疹は、後根神経節内に潜伏感染していたウイルスの再活性化して発症する病気です。
帯状疱疹ウイルスが再活性化されると表皮細胞に感染します。
表皮細胞で帯状疱疹ウイルスが増殖します。
単純疱疹と違い帯状疱疹は他人から感染する皮膚病ではありません。
帯状疱疹は痛い皮膚病です。
神経痛様疼痛・知覚異常・痒みが数日から1週間続いてから、虫さされのような浮腫性の紅斑が出ます。
軽度の発熱・リンパ節腫脹・頭痛などの症状があることもあります。
紅斑上に“みずぶくれ”が多発して、透明から黄色い膿疱に変わり6~8日で破れてただれたり潰瘍になります。
発症から1週間程度までは紅斑や水疱ができて広がりますが治癒に向い、約3週間でかさぶたがとれて治癒します。
帯状疱疹の疑いが生じたらスグに皮膚科の治療をおススメします。
単純疱疹と帯状疱疹
単純疱疹と帯状疱疹の違いをまとめます。
単純疱疹は他人から感染する皮膚病で、帯状疱疹は他人から感染しない皮膚病になります。
単純疱疹の原因は、単純ヘルペスウイルス1型と単純ヘルペスウイルス2型です。
単純ヘルペスウイルス1型に感染すると上半身に発症し、単純ヘルペスウイルス2型に感染すると下半身に発症します。
帯状疱疹の原因は帯状疱疹ウイルスです。
帯状疱疹ウイルスの初感染では水痘を発症します。
帯状疱疹は、後根神経節内に潜伏感染していたウイルスが再活性化して発症する皮膚病です。
単純疱疹も帯状疱疹も、病院での治療をおススメします。