原油、石油、石炭、天然ガスの違い。石炭、石油のエネルギー効率は?
原油・石油・石炭の違いが分からなければ、天然ガスと石油の違いもわかりません。
石炭と石油のエネルギー効率を知っていれば、子供に自慢できそうです。
原油(げんゆ)は、は油田から採掘したままの状態の精製されていない石油になります。
原油の埋蔵状態には、油田(地下)・オイルシェール・タールサンド・レークアスファルト等があります。
採掘後に、ガス・水分・異物などを大まかに除去したものが原油と呼ばれています。
原油は黒くて粘り気のある液体で、様々な分子量の炭化水素の混合物が主成分になります。
原油の組成は炭素が83~87%・水素が11~14%・硫黄が5%以下・その他の元素が2%以下になります。
原油は鉄鉱石や石炭と並んで主要な鉱物資源です。
次に、原油と石油と石炭の違い・天然ガスと石油の違い・石炭と石油のエネルギー効率、等の紹介をします。
石油
原油と石油と石炭の違いを分かるために「石油」の概要を紹介します。
「石油(せきゆ)」は、炭化水素を主成分として少量の硫黄・酸素・窒素などの物質を含む液状の油になります。
現在は主に化石燃料として、世界中でさまざまな用途で使用されています。
現代人類文明を支える重要な鉱物資源です。
原油を性質の違いで分留することを精製といいます。
精製する元の原油の種類によって、生産される製品の割合が異なってきます。
近年では、シェールオイルやオイルサンドなどに代表される、非在来型資源と呼ばれる資源が注目を集めています。
シェールオイルは世界中に遍在していて、埋蔵資源量も在来型の石油資源を上回ると見込まれています。
次に、石炭のこと・天然ガスと石油の違い・石炭と石油のエネルギー効率、等の紹介をします。
石炭
原油と石油と石炭の違いを分かるために「石炭」の概要を紹介します。
「石炭(せきたん)」は植物化石とも言われます。
古代の植物が完全に腐敗分解する前に地熱・地圧を受けて石炭化した物質になります。
石炭は古くから、産業革命以後20世紀初頭まで最重要の燃料として、また化学工業や都市ガスの原料として使われてきました。
石炭は、他の化石燃料である石油や天然ガス等と比べても、燃焼した際の二酸化炭素(CO2)や硫黄酸化物(SOx)などの有害物質の排出量が多くなっています。
石炭は、地球温暖化・大気汚染の主な原因の一つと考えられています。
次に、天然ガスと石油の違い・石炭と石油のエネルギー効率、等の紹介をします。
天然ガス
原油・石油・石炭の違いの次は、天然ガスと石油の違いが分かるために「天然ガス」の概要を紹介します。
天然ガスは広義には、地下に存在するガスや地下から地表に噴出するガス一般を指します。
広義の天然ガスには、マグマを原料とする火山ガスや化石燃料ガス(可燃性ガス)だけでなく、窒素・酸素・炭酸ガス・水蒸気・硫化水素ガス・亜硫酸ガス・硫黄酸化物ガスなどの不燃性ガスも含まれます。
不燃性ガスの多くは火山性ガスです。
一般的には化石燃料ガス(可燃性ガス)を「天然ガス」と呼んでいます。
天然に産する化石燃料としての炭化水素ガスには、メタン・エタンといった軽い炭素化合物やその他の炭素化合物を含んでいます。
天然ガスは、エネルギー源や化学品原料として広く使われています。
天然ガスを燃焼させて、調理・暖房・風呂沸かしなどの熱源として使われています。
日本では都市ガス用として天然ガスが利用されています。
石炭・石油に比べて燃焼させた時に、窒素酸化物・硫黄酸化物などの大気汚染物質や温室効果ガス(二酸化炭素)の排出が少ないので、火力発電所では中心的な燃料になっています。
天然ガスは化学品原料として、メタノール・アンモニア・アセチレンなどの製造に使われています。
日本国内の天然ガス田では、ヨウ素が重要な副産物として採取されています。
石炭と石油のエネルギー効率を紹介します。
石油と呼ばれるものには、原油・製油所ガス・LPG・ガソリン・ナフサ・ジェット燃料油・灯油・軽油・A重油・C重油などがあります。
原油Lの発熱量は38.28MJです。
ガソリン1Lの発熱量は33.37MJです。
灯油1Lの発熱量は36.49MJです。
軽油1Lの発熱量は38.04MJです。
石炭には輸入原料炭や輸入一般炭などがあります。
輸入原料炭1kgの発熱量は28.79MJです。
輸入一般炭1kgの発熱量は25.97MJです。
以上から重量単位当たりの発熱量では石油の効率がよさそうです。