事実婚(内縁)における税金(確定申告)のデメリット
事実婚(じじつこん)とは、婚姻事実関係一般を意味している言葉になります。
「事実婚」は、日本では一般的に法律婚(届出婚)に対する概念として用いられています。
「事実婚」という場合は、
・意図的な選択で婚姻届を出さないまま共同生活を営む場合を指すケース
・届出を出すことができないような社会的要因があるケース、などがあります。
「事実婚」と「内縁」とは異なる概念として区別されて用いられることが多くなっています。
事実婚のことを、「選択的事実婚」や「自発的内縁」などと呼ぶこともあるようです。
事実婚に対して法律婚があります。
法律婚には、同居・相互扶助の義務があります。
法律婚では、夫婦は同居してお互いに協力しなければなりません。
夫婦の生活費を、収入・資産に応じて負担する義務もあります。
夫婦で収入・資産が多いほうは、少ない配偶者よりもたくさんのお金を出さなくてはいけません。
法律婚の権利には「財産分与請求権」や「相続権」があります。
「財産分与請求権」は、離婚する場合に財産が少ないほうが多いほうに財産を分けるように請求する権利です。
「相続権」は、夫婦の一方が亡くなった場合に生きているもう一方が財産(遺産)を相続する権利です。
事実婚には、法律婚のような義務や権利は基本的にありません。
次に、事実婚のこと・事実婚と税金でのデメリット・確定申告での医療費控除・内縁の妻と事実婚と確定申告、などの紹介をします。
事実婚のこと
「選択的事実婚」や「自発的内縁」とも呼ばれる「事実婚」を選択する理由には、夫婦別姓の実践・家意識への抵抗・職業上の必要性などがあります。
事実婚と住民票の記載について紹介します。
事実婚は「法律婚」ではないので戸籍の移動を伴いません。
事実婚の場合は、従前戸籍のままで姓も変わりません。
住民基本台帳法には、世帯主でない者には「世帯主との続柄」を記載するように規定しています。
住民票の記載は、「同居人」・「夫(未届)」・「妻(未届)」になるようです。
事実婚の住民票への記載については、各自治体に任されているのが現状とされています。
住民票の続柄を「未届の妻(夫)」とすることで世帯が同一となり、事実婚と同棲とをはっきり区別させることができるようになります。
勤務先の規定や保険会社の規定によっては、勤務先から家族手当を受けることや、生命保険の受取人になることもできます。
次に、事実婚と税金でのデメリット・確定申告での医療費控除・内縁の妻と事実婚と確定申告、などの紹介をします。
事実婚と税金
事実婚にした場合は、税金面のデメリットもあります。
法律に守られた婚姻関係ではない事実婚は、義務や権利に縛られない関係を望むカップルが選んでいます。
只、事実婚と法律婚では税金面で扱いが異なることがあります。
次に、事実婚の税金デメリットを紹介します。
事実婚で専業主婦になった場合には、夫の「配偶者控除」の適用にはなりません。
事実婚の「夫」が払う税金が減らないので世帯収入は少なくなってしまいます。
事実婚の夫が亡くなった場合でも、夫の相続人に自動的になることはできません。
事実婚の妻に相続させることを遺言書などで表していない場合は、夫の親や兄弟などに遺産が相続されます。
事実婚の妻には遺産相続はありません。
もし、遺産相続を受取った場合の相続税では、事実婚の場合は配偶者控除がないので税金が高くなってしまいます。
次に、事実婚の確定申告と医療費控除・内縁の妻と事実婚と確定申告などの紹介をします。
事実婚と確定申告
事実婚の場合は法律婚に比べて税金でのデメリットが大きくなります。
事実婚の場合の確定申告はどうなるのでしょうか。
医療費控除と内縁の妻の関係や、事実婚の場合の確定申告について知っていれば役立つことも多いようです。
確定申告で配偶者控除の対象となる配偶者とは、民法の規定により効力が生じた婚姻に基づく配偶者になります。
内縁の妻などの事実婚の相手は、民法の規定による配偶者ではないので配偶者控除の対象にはなりません。
社会保険上では、扶養は生活の実態をもとにしています。
事実上婚姻関係と同様の事情にある者は配偶者として扱うとされています。
社会保障上は、事実婚であっても法律婚をした夫婦と同様の保障が受けられます。
只、事実婚の場合は戸籍で2人の関係が示せないので、2人が夫婦としての実態があることを証明することが必要になります。