ステンレス、鉄、チタンの違い。錆びるのは?錆びる原因と落とし方
ステンレスと鉄の違いと、チタンとステンレスの違いを知っていれば役立ちそうです。
ステンレス・鉄・チタンは金属です。
金属の英語表記は「metal」です。
金属は、展性・塑性に富んだ機械工作が可能で電気・熱の良導体ですね。
一部例外を除いて常温・常圧状態では透明ではない固体になります。
単体で金属の性質を持つ元素は「金属元素」と呼ばれています。
金属と定義されるものは、次の5つの特徴をすべて備えるものになります。
・常温で固体(水銀を除く)
・塑性変形が容易で、展延加工ができる
・不透明で輝くような金属光沢がある
・電気および熱をよく伝導する
・水溶液中で陽イオンになるなどです。
金属材料の硬さの評価はJISで定められています。
JIS規格で定められている測定法は、「ブリネル硬さ」・「ビッカース硬さ」・「ロックウェル硬さ」・「ショア硬さ」の4種類になります。
「ブリネル硬さ試験」は鋳物などに限られています。
「ビッカース硬さ試験」は柔らかい金属から超硬合金まで対応が可能です。
「ロックウェル硬さ試験」は、黄銅や焼入れ合金などで用いられています。
次に、ステンレスと鉄の違いや、チタンとステンレスの違いを紹介します。
ステンレス
ステンレスと鉄の違いや、チタンとステンレスの違いが分かるために「ステンレス」の概要を紹介します。
ステンレスの英語表記は「stainless steel」です。
英語表記で「stainless steel」のように、ステンレスの正式名称は「ステンレス鋼」です。
ステンレス鋼の「stainless」は「錆びない」と言う意味になります。
ステンレスの主成分は鉄(Fe)・(50%以上)です。
主成分の鉄にクロム(Cr)を10.5%以上含む錆びにくい合金になります。
ステンレスは金属の中でも使用量が急激に伸びています。
ステンレスの生産量は、国民一人当たり熱間圧延材ベースで30kg程度になっているようです。
ステンレスは耐食性に強いイメージがありますが、耐熱性・加工性・強度などにも優れた特性があります。
ステンレスは意匠性や、メンテナンスが容易である特徴もあります。
100%リサイクル可能な材料としても環境面から高く評価されている金属です。
錆びないはずのステンレスに錆びがあるように見える時があります。
ステンレスが錆びているように見えるのは、ステンレスが錆びているのではありません。
ステンレスの酸化皮膜の上に錆が付着している状態です。
ステンレスに付着した錆びは、重曹やクレンザーにお酢を混ぜて使用するという方法があります。
次に、鉄のことや、チタンの概要を紹介します。
鉄
ステンレスと鉄の違いが分かるために「鉄」の概要を紹介します。
鉄の英語表記は「iron」です。
鉄は、原子番号26の元素で元素記号は「Fe」です。
地球・太陽や他の天体にも豊富に存在している金属元素です。
地球の地殻の約5%は「鉄fe」だとされています。
鉄のことを日本語では黒鉄などと言います。
黒鉄の呼び方は、鈍い黒さからきています。
「鉄」の旧字体は「鐵」で、異体字には「銕」があります。
「鉄」は道具を作る用材として文明の基礎を築いています。
現在でも最も重要で身近な金属元素の1つです。
純粋な鉄は白い金属光沢がありますが、イオン化傾向が高いので湿った空気中では容易に錆を生じます。
鉄の錆びは、時間の経過と共に黒ずんだり褐色へと変色します。
鉄の錆びを落とすには、ワイヤーブラシなどで削り取るか、錆び落とし剤を使います。
栄養学の立場からは、鉄は人(生体)にとって必須の元素です。
体内の鉄分が不足すると、血液中の赤血球数やヘモグロビン量が低下して貧血などの原因になります。
ただ、過剰に摂取すると鉄過剰症になることもあります。
次に、チタンとステンレスの違いを紹介します。
チタン
ステンレスと鉄の違いには、錆びにくいか否かがあります。
チタンとステンレスの違いが分かるために「チタン」の概要を紹介します。
チタンの英語表記は「titanium」になります。
チタンは原子番号22の元素で元素記号は「Ti」です。
チタンは、地球を構成する地殻の成分として9番目に多い元素です。
金属としてはアルミニウム・鉄・マグネシウムに次ぐ4番目に多くなります。
自然界には豊富に存在していますが、集積度が高くないことや製錬の難しさがあります。
集積度や製錬のむつかしさから、金属として広く用いられる様になったのは1950年代からです。
金属チタンは、強度・軽さ・耐食性・耐熱性に優れていることです。
また、環境性能・色彩等を備えているので様々な分野で使われています。
化合物では酸化チタンが安価な白色顔料として広く用いられています。
チタンは日常でも接する機会が多いですね。
只、金属チタンは製錬・加工が難しく、製錬・加工費用もかかるので大量には使われていません。