トランプでジョーカーを抜くのになぜ「ババ抜き」と呼ぶ?
トランプを使ったゲームに「ババ抜き」があります。
「ババ抜き」では、ジョーカーを抜いたら負けのゲームです。
どうして、「ババ抜き」というようになったのでしょうか。
日本でのトランプは、4種類で各13枚で計52枚(+α)のカードを1セットにするタイプが一般的です。
トランプは、多種多様なゲームに用いられるだけでなく、トランプ占いなどの占いの道具や手品(マジック)の小道具としても用いられます。
トランプの起源については明確ではありません。
トランプが日本に伝わったのは16世紀です。
ポルトガルから、ラテン・スートのタイプが伝来して普及しました。
明治以降の日本のトランプは、英米式のカードが普及しています。
次に、トランプのこと・ババ抜きゲーム・ジョーカーを抜くのにババ抜きという理由、などの紹介をします。
トランプ
日本語では「トランプ」と呼んでいますが、英語の「trump」の本来の意味は、ゲームのルールにある切り札の意味です。
ゲームの切り札の意味のトランプが、日本ではカードを指して使われるようになった経緯は分かりません。
トランプは、16世紀にポルトガルから伝来したのでポルトガル語の「carta」を音写して「かるた」とも呼ばれていたこともあります。
世界の各地域によってカードの呼び方は異なります。
世界各地のカードも様々で枚数も20~108枚まであります。
ヨーロッパでのカードは、32枚や36枚のタイプが多いようです。
ほとんどの日本人はトランプと言えば「52枚」が常識と思っていますが、イタリアでは40枚が常識で、ロシアでは36枚が常識のようです。
フィリピンにはカードが112枚のタイプも在ります。
明治以降に、日本で一般的に使われるようになったトランプは「英米(アングロアメリカン)タイプ」と呼ばれるものだとされています。
日本のトランプは52枚のカードで構成されていますが、通常はジョーカー1~2枚を含んだ53~54枚の形で市販されています。
日本では、コマーシャルカードがもう1枚つく製品もあります。
コマーシャルカードを、エキストラ・ジョーカーと同じ扱にする場合もあります。
エキストラ・ジョーカーの用途で用いられたコマーシャルカードは、日本国内では俗に「ジジ」と呼ばれているようです。
次に、ババ抜きゲーム・ジョーカーを抜くのにババ抜きという理由、などの紹介をします。
ババ抜きゲーム
ババ抜き(ババぬき・婆抜き)のゲームの英語表記は「Old Maid」です。
「ババ抜き」は、複数人で行うトランプの遊び方でも人気があります。
始めに同数のカードを人数分配して、一枚ずつ他者から抜き取り同じ札があれば捨てます。
最後にジョーカーを持っている人が負けになるゲームです。
「ババ抜き」では、ジョーカーを1枚加えた53枚のカードを使用します。
2人以上の人数でプレイできますが、3人以上でないと面白くありません。
次に、ジョーカーを抜くのにババ抜きという理由、などの紹介をします。
ジョーカーを抜くのにババ抜き
「ババ抜き」というゲームでは、最後にジョーカーを持っている人が負けになります。
当初の「ババ抜き」はジョーカーを使わないゲームだったようです。
トランプにジョーカーが加わったのは、比較的新しくて19世紀後半になってからだったと考えられています。
「アメリカ大百科事典」によると、米国でトランプにジョーカーが導入されたのは1872年になっています。
「ババ抜き」の元になったゲームは、「オールドメード(old maid)」というゲームです。
「オールドメード」のゲームでは、ジョーカーを含まない52枚からクイーンを1枚抜いて残りの51枚を使って「ババ抜き」の要領でゲームを行いました。
最後に残ったクイーンを持っていた人が負けになります。
「old maid」とは、未婚女性や婚期を逃した未婚の女性の意味になります。
昔の日本で「オールドミス」や「ハイミス」といっていた女性になります。
明治40年(1907年)刊行の「世界遊戯法大全」には、ジョーカーがない「オールドメード」のゲームが、「お婆(ばあ)ぬき」という名前で載っています。
キングを抜いて遊ぶ「お爺抜き(old bachelor)」も紹介されています。
ゲームを始める前にクイーン(婆)を抜いておくので、「お婆(ばあ)ぬき」といったようです。
「お婆(ばあ)ぬき」が、「ババ抜き」と呼び方が変わったと考えられます。
クリーンを抜いて遊ぶ「お婆(ばあ)ぬき」が、ジョーカーを抜くのに「ババ抜き」として呼ばれています。
ジョーカーはもともと「ババ」ではありませんでした。