カカシの名前の由来。海外にもカカシはある?
「かかし」は、田や畑などの中に設置して鳥などの害獣を追い払うための人形やそれに類する仕掛けになります。
「かかし」の漢字表記は「案山子」・「鹿驚」です。
案山子(かかし)には、「おどし」や「そうず」などいろいろな呼び方があるようです。
案山子(かかし)の名前の由来を知っていますか。
案山子(かかし)は海外にもあるのでしょうか。
次に、案山子(かかし)の名前の由来・案山子は海外にもある・案山子のいろいろ、などの紹介をします。
案山子(かかし)
案山子(かかし)の名前の由来は、「嗅がし」ではないかという説があります。
鳥獣を避けるため獣肉を焼き焦がして串に通して地に立てたものも「かかし」と呼ばれています。
獣肉を焼き焦がして嗅覚によって、鳥獣をさける方法になります。
“獣肉を焼き焦がして串に通して地に立てたもの”が本来の案山子(かかし)の形であったと考えられています。
日葡辞書にも、「カガシ」とも呼ばれるものが掲載されています。
「かかし」ではなく「ソメ(あるいはシメ)」と呼ぶ地方もあります。
「ソメ・シメ」というのは、「占め」に関連する言葉だと考えられています。
「かかし」の漢字表記が「案山子」なのは、元々は中国の僧侶が用いた言葉だと考えられています。
「案山」は山の中でも平らなところを指し、「子」は人や人形を指しています。
「案山子」という字をあてる理由については、「梅園日記(1845年)」にもあります。
梅園日記(うめぞのにっき)とは、江戸後期に「北慎言」が書いたとされる随筆です。
次に、案山子は海外にもある?・案山子のいろいろ、などの紹介をします。
案山子は海外にもある?
案山子(かかし)の名前の由来は、中国の僧侶が用いた言葉のようです。
案山子(かかし)は日本だけにあるものではなく海外にもあります。
山形県の「かみのやま温泉全国かかし祭り」には、諸外国から幾度も協賛参加の実績があるようです。
「かかし」の呼び名もそれぞれの国の言葉で呼ばれていますが、「かかし」の役割は共通しているようです。
海外の「かかし」には、カラスなどを追い払う・みすぼらしい人を指す、などの意味があります。
イギリスのハートフォードシャー州のフラムステッドでは、毎年「かかしフェステバル」が開催されています。
案山子のいろいろ
古典的な案山子は、竹や藁で造形した人形でした。
鳥獣に対して「人間がいる」ように見せかけることを目的としていました。
現代では、巨大な目玉を模した風船なども案山子として使われています。
鳥獣が、大きな目を恐れるという本能を利用した案山子になるようです。
田畑を狙う側のカラスなどには学習能力があるので、動かない案山子は無害なものと認識されてしまいます。
そのため、風やその他の動力によって不規則な動作をする、いろいろなタイプの案山子があります。
・揺れる巨大な目玉の風船
・風で回る風車
・キラキラ光ながら揺れる銀色のテープ、などです。
ビニール製などのカラスの死体模した案山子もあります。
視覚的なものに頼らない手段・道具では、古くは「鹿おどし」があります。
近年では、爆音を用いて威嚇する装置もあります。
嗅覚を利用するものを、田畑の近くに設置する方法も試みられています。
案山子の本来の形は嗅覚を利用したものであったと考えられています。