長芋、山芋、自然薯の違い。とろろになるのはどのお芋?
長芋と山芋と自然薯の違いを知っていれば、美味しい料理つくりに活かせますね。
長芋・大和芋・山芋・自然薯は、「ヤマノイモ」の種類になります。
「ヤマノイモ」の漢字表記は「山の芋」です。
ヤマノイモは、ヤマノイモ科ヤマノイモ属のつる性の植物や担根体のことです。
ヤマノイモ(山の芋)は、古くは薯蕷と書いてヤマノイモと読んだようです。
次に、ヤマノイモ(山の芋)のこと・長芋と山芋と自然薯の違い・“とろろ”にするのはどれ?・値段は?などの紹介をします。
ヤマノイモ(山の芋)
長芋・山芋・自然薯・大和芋は、ヤマノイモ(山の芋)の種類になります。
ヤマノイモは、北海道南西部から本州・四国・九州に分布しています。
雌雄異株のつる植物で、細長いハート形の葉を持っています。
地下には1本の芋があり、芋は地下深くへとまっすぐに伸びて1mを超えることもあります。
赤土土壌で採れたヤマノイモは風味がよいとされています。
ヤマノイモは、里山の林道沿いや河川沿いの土手に自生しています。
ヤマノイモの長く伸びる根を芋として食用にします。
ヤマノイモは薬用にもなります。
ナガイモの漢名に「山薬(さんやく)」があります。
皮を剥いたヤマノイモやナガイモの根茎を乾燥させた生薬も「山薬」と呼びます。
「山薬」は日本薬局方に収録されています。
「山薬」には、滋養強壮・止瀉・止渇作用があります。
「八味地黄丸(はちみじおうがん)」や「六味丸(ろくみがん)」などの漢方方剤にも「山薬」が使われています。
長芋・山芋・自然薯の違い
ヤマノイモ(山の芋)の種類に、長芋・山芋・自然薯・大和芋があります。
長芋は中国原産種の芋です。
自然薯は日本原産種の芋になります。
大和芋は南方原産種の芋になります。
長芋・自然薯・大和芋等を総称して「山芋」と呼んでいます。
本来は、山に自生する自然薯だけを「山芋」と呼んでいました。
現在では、大和芋や長芋等の外来種も「山芋」と呼ぶようになっています。
“とろろ”にするのはどれ?
山芋の特徴で健康に良いとされる粘りは、自然薯>大和芋>長芋の順になっています。
出汁で倍に伸ばして香りも粘りも生きるのは自然薯だけです。
自然薯は、大和芋・長芋と比べて遥かに粘り気が強いので“とろろ”にするのは自然薯が一番適しているとされています。
すりおろしてから白醤油や出汁などを加えて伸ばし“とろろ”にするのが自然薯の代表的な調理法になります。
“とろろ”を出汁で伸ばして、麦飯ないし麦入り米飯にかけた「麦とろご飯」は美味しいですね。
天然物の「山芋」である自然薯が最も価格が高くなります。
長芋が1000円の場合、「山芋」の自然薯は約4倍の4000円程度になります。
天然物の山芋の自然薯はスーパーで見かけることはほとんどありません。