捲土重来(けんどちょうらい)の意味、由来、言葉の使い方、類義語
捲土重来の意味は、一度戦いに敗れた者が再び勢いを盛り返して攻め寄せてくることになります。
それが転じて、一度失敗した人がまた盛り返す意味にも使われます。
捲土重来は故事から来ています。
故事は、大昔にあった出来事や大昔から今に伝わる事柄になります。
中国の古典に書かれている逸話の中でうち、日常の会話や文章で繁用されるものを「故事成語」・「故事成句」と言います。
故事をその語源とする一群の慣用語句の「故事成語」・「故事成句」の中に「捲土重来」があります。
中国語では「成語」と言いますが、日本では故事を語源とするものをその他の熟語や慣用句と区別するために「故事成語」・「故事成句」と呼んでいます。
「故事成語」・「故事成句」は、物事の由来・比喩・おもい・いましめなどの、面と向かっては言い難いことを婉曲に示唆するときに使わられます。
また、複雑な内容を端的に表したりする際に便利な語句が「故事成語」・「故事成句」です。
「捲土重来」の他にもよく目にする 「故事成語」には、
・「圧巻」・「井の中の蛙」・「烏合の衆」・「臥薪嘗胆」・「完璧」
・「杞憂」・「漁夫の利」・「疑心暗鬼を生ず」・「逆鱗」・「五十歩百歩」
・「塞翁が馬」・「先んずれば将ち人を制す」・「三顧の礼」・「四面楚歌」
・「酒池肉林」・「助長」などがあります。
次に、捲土重来の由来・捲土重来の例文・捲土重来の類語などの紹介をします。
捲土重来の由来
捲土重来の由来は、唐の詩人の「杜牧(とぼく)」の詞が元になっているようです。
中国の秦~前漢の時代に、劉邦に敗れた項羽は長江西岸にある烏江まで落ちのびてきました。
その場面を「杜牧」が歌いました。
漢の国の王の劉邦(りゅうほう)と天下を争ったのが楚の国の王の項羽(こうう)です。
争いに敗れて悲劇的な最期をとげた項羽の死を惜しんだ詩の中に「捲土重来」の言葉があります。
唐の詩人「杜牧」の詩の中に、「江東 師弟才俊多し、捲土重来、未だ知るべからず」があります。
詩の意味は、項羽が故郷で兵を集めていたなら、この戦いはどうなっていたか、わからないということです。
次に、捲土重来の例文・捲土重来の類語の紹介をします。
捲土重来の例文
捲土重来の由来は、唐の詩人である「杜牧(とぼく)」の詩が元になっています。
捲土重来の例文には、
・敗れてしまいましたが、失敗の結果を照査して捲土重来します、
・一度はあきらめた事業ですが捲土重来となるか!
・失敗を検証して、捲土重来して今度こそ事業に成功します、
などがあります。
次に、捲土重来の類語の紹介をします。
捲土重来の類語
捲土重来の由来は、中国の故事から来ています。
捲土重来の例文には、今回の失敗を反省して捲土重来して再度挑戦します、などになります。
捲土重来の類語には、
「起死回生(きしかいせい)」・「回生起死(かいせいきし)」などがあります。
「起死回生」とは、
・今にもだめになりそうな物事を立て直す
・滅びかけているものを立て直す
・絶望的な状態を立ち直らせるなどの意味になります。