奈落の底に落ちるの「奈落」の意味、類語
「奈落の底」と言う言葉は、時代劇などで聞くことがあります。
“奈落の底へ落とされる”など、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
なんとなく意味は分かりますが、正確には説明できません。
「奈落の底」の本当の意味や使い方・類語、などを知っていれば役立ちそうです。
「奈落の底」の語源は、サンスクリットにあるとされています。
サンスクリットとは、古代インド・アーリア語に属する言語のことです。
インドなど南アジアおよび東南アジアにおいて用いられた古代語だとされています。
サンスクリットの意味は、「完成された・洗練された(言語、雅語)」になります。
サンスクリット自体でも言語を意味していますが、日本ではサンスクリット語とも呼ばれています。
サンスクリット語は、文学・哲学・学術・宗教などの分野で広く用いられていました。
ヒンドゥー教・仏教・シーク教・ジャイナ教の礼拝用言語でもあります。
現在でのサンスクリット語は、インドの憲法の第8付則に定められた22の指定言語の1つになっています。
インドの紙幣にもサンスクリット語での金額記載があるようです。
漢字表記の梵語(ぼんご)は、漢字文化圏でのサンスクリットの異称です。
次に、奈落の底の意味・奈落の底の使い方・奈落の底の類語、などの紹介をします。
奈落の底の意味
「奈落の底」の意味は、地獄の底のことです。
抜け出すことのできない状態や立場も、奈落の底と言います。
「奈落の底」の「奈落」は、サンスクリット語の「naraka」の音写「奈良迦(ならか)」が転訛した言葉だとされています。
「奈落の底」の「奈落」は、「那落」や「捺落」とも表記されます。
「奈落」は、本来は仏教用語です。
「奈落」とは、地獄や地獄に落ちることを意味しています。
地獄や地獄に落ちることを指していた「奈落」の意味や使い方が転じて、ものごとのどん底などの意味で使われるようになったと考えられています。
「奈落」に、どん底を強調する意味で「底」が付けられて「奈落の底」になったようです。
次に、奈落の底の類語・関係後などを紹介します。
奈落の底の使い方
「奈落の底」の意味には、果ての果て・物事の最終、などの意味もあります。
「奈落の底」の使い方には、
・奈落の底へ突き落される
・極貧の奈落の底から這いあがる、などがあります。
劇場の舞台や花道の床下も「奈落」といいます。
劇場や舞台の床下を「奈落」と言うのは、その場所が真っ暗だったので「奈落の底」に喩えた言葉だったようです。
たまに、「奈落の底」は舞台の床下が語源だと聞くこともありますが、これは間違いです。
次に、奈落の底の類語・関係後などを紹介します。
奈落の底の類語
「奈落の底」の意味には、抜け出すことができない状態や立場があります。
奈落の底に落とすと言われないように気を付けたいですね。
「奈落の底」の類語には、
・深潭・奈落・深み・深海・どん底・深淵・底無し、などがあります。
関連語には、
・落ちる所まで落ちる・地に落ちる・底を打つ・底の底・金輪奈落・袋の鼠
・窮地・弓折れ矢尽きる・藁にもすがる・引くに引けない・陥穽・不運に見舞われる
・隙をつかれる・災厄・貧民窟・貧民層・下人たち・掃きだめ・崖下・地の底
・底辺・土壇場、などがあります。