うだつが上がらない人の「うだつ」の意味、語源
「うだつが上がらない」という言葉を聞いたことがあると思います。
「うだつが上がらない」や「うだつが上がらない人」などの、「うだつ」とは何を意味しているのでしょうか。
「うだつの上がらない人」の意味を分かるには「うだつ」のことを知る必要があります。
日本語の中には、語源が気になるものが多くあります。
気になる言葉の中には「うだつが上がらない」の「うだつ」もあります。
「うだつが上がらない」という言葉の意味を、なんとなく分かったようなつもりでいる人も多いのではないでしょうか。
なんとなく分かっていると思っていても、子供に「うだつ」のことを聞かれても正しく答えることができませんね。
次に、うだつとは何?・うだつの上がらない人の意味、などの紹介をします。
「うだつ」とは
「うだつが上がらない」のうだつとは何?と聞かれたときに困らないように、「うだつ」の紹介をします。
「うだつ」のことが分かれば、「うだつの上がらない人」の意味も分かるのではないでしょうか。
「うだつ」は、日本家屋の屋根に取り付けられています。
日本家屋の屋根に取り付けられている小柱・防火壁・装飾になります。
「うだつ」の漢字には「卯建」や「宇立」などがあります。
平安時代の頃は「うだち」と言っていたようです。
室町時代以降に「うだつ」になったようです。
「うだつ」とは、本来は梁(うつばり)の上に立てる小さい柱のことでした。
時代の経過とともに自家と隣家との間の屋根を少し持ち上げた部分を「うだつ」と呼ぶようになったとされています。
桃山時代に描かれた洛中洛外図屏風にも「うだつ」のある長屋が描かれています。
桃山時代から江戸時代初期にかけては木製のうだつが存在しています。
当初の「うだつ」は、防火壁と言うよりも屋根が強風で飛んだりするのを防ぐ防風の意味合いや、また装飾的な意味合いが強かったとされています。
防風や装飾的ものだった「うだつ」が変化したと考えられています。
隣家と接するケラバ部分の壁を少し持ち上げて、独立した小屋根を乗せたものを「うだつ(本うだつ)」と呼ぶようになったと考えられています。
その後、「本うだつ」の下端が、平側の1階屋根と2階屋根の間の部分にまで張り出すようになって、その壁部分が小さい防火壁として独立して「うだつ(袖うだつ)」と呼ぶようになったと考えられています。
防火壁と「うだつが上がらない」
うだつとは何?と聞かれたら防火壁のことだと答えてください。
防火壁が「うだつ」のことだと知っても、うだつの上がらない人の意味とは繋がりませんね。
防火壁と「うだつが上がらない」のことを紹介します。
隣り合い連続している町家が、隣家からの火事が燃え移るのを防ぐために造られた防火壁を「うだつ」と呼びます。
この「うだつ」が、江戸時代中期頃になると装飾的な意味に重きが置かれるようになったようです。
自己の財力を誇示するための手段としての「うだつ」になったと考えられています。
上方を中心に商家の屋根上には競って立派な「うだつ」が上げられたようです。
関西方面の街道筋の古い街並みを歩くと、連接している家屋の境目に、屋根よりも一段と高くこしらえた壁が造られているのを見かけます。
これが、漢字の「卯(う)」の字に似ているので「うだち」・「うだつ」と呼ばれるものです。
美馬市には「うだつ」が江戸時代のままの姿で保存されています。
防火壁としての「うだつ」の姿を見ることができます。
この、防火壁の「うだつ」が「うだつが上がらない」の語源だと考えられています。
徳島県観光協会のサイトには、「うだつ」を造るには相当の費用がかかったので、裕福な家しか設けることができませんでしたと紹介してあります。
「うだつが上がらない」という言葉は、富の象徴と関係していると考えられます。
「うだつの上がらない人」
うだつとは何?「うだつ」とは防火壁のことです。
次ぎに、「うだつの上がらない人」の意味を紹介します。
現代の「うだつが上がらない人」の意味は、仕事でもパッとする活躍ができない情けない人になるようです。
ネガティブな表現ですが、最低の人というわけではありません。
特にひどく悪くはないけれども、特筆すべき活躍もない情けない人という意味が込められているようです。
「うだつが上がらない人」のパッとしない原因には、
・自分のできないところに目を向けない
・「後で」や「いつか」が口癖になっている
・不誠実な部分が目立つ
・言い訳が多い
・責任感がない
・時間に無駄があり時間にルーズ
・視野が狭く、考えも浅はか
・協調性に欠けていて気分屋
・自己コントロール不足
・効率的な思考ができない
・生活習慣が乱れている
・自分に甘いのに人に厳しい
・学ぶ姿勢がない
・他人をねたんで他人の成功を喜べない
・観察力不足、などがあります。