おたふく風邪は初期症状が出る前でも注意。大人も要注意
おたふく風邪の初期症状がみられたら病院での診察を受けてください。
おたふく風邪の正式名称は「流行性耳下腺炎」になります。
流行性耳下腺炎(おたふく風邪)を発症すると、耳の前下にある耳下腺や顎下腺が腫れて丸顔の“おたふく”のようになります。
おたふくの顔のように腫れるので、おたふく風邪と呼ばれています。
流行性耳下腺炎(おたふく風邪)は、ムンプスウイルスに感染することで発症します。
ムンプスウイルスの特徴は、耳下腺(耳の前下にある)や顎下線(下あごの下にある)に感染することです。
ムンプスウイルスは飛沫感染をする非常に感染力が強いウイルスです。
流行性耳下腺炎(おたふく風邪)には季節性はありません。
ムンプスウイルスに感染して流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の症状の出る人は6~7割とされています。
しかし、一般的に成人が感染すると症状が重くなるケースも多いようです。
ムンプスウイルスの潜伏期間は2~3週間です。
ムンプスウイルス感染者と接触して飛沫感染すると2~3週間後に顔の腫れが現れてきます。
1967年にワクチンが開発されるまでは、小児の疾患として全世界で一般的でした。
現在でも流行性耳下腺炎(おたふく風邪)は発展途上国では脅威となっています。
次に、おたふく風邪の原因と初期症状と対策と予防について紹介します。
おたふく風邪の原因
おたふく風邪の原因と初期症状を知ることで早期対応ができます。
流行性耳下腺炎(おたふく風邪)発症の原因は、パラミクソウイルス科のムンプスウイルスへの飛沫感染と接触感染になります。
ムンプスウイルスに感染して流行性耳下腺炎(おたふく風邪)を発症するのは、一般的に2~12歳の子供になります。
12歳以下の子供の場合の症状は耳下腺や顎下線の腫れです。
年齢層が上がると耳下腺や顎下線の腫れに加えて、睾丸・卵巣・中枢神経系・膵臓・前立腺・胸等他の器官も関わることがあります。
重症化すると生殖機能に後遺症が残るケースもあります。
おたふく風邪の症状
おたふく風邪の初期症状を見逃すと大人の場合重症化するので注意が必要です。
次のような症状がでたら病院での診察をおススメします。
流行性耳下腺炎(おたふく風邪)を発症すると、
・顔面の疼痛 ・唾液腺(耳下腺)の腫脹・顎下線の腫脹
・38~39℃の発熱・頭痛・咽頭痛・膵炎があります。
流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の合併症には、無菌性髄膜炎・難聴(ムンプス難聴)睾丸の痛みと拡大などがあります。
流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の合併症には無菌性髄膜炎が10人に1人発症します。
難聴(ムンプス難聴)は、重篤な難治性難聴が後遺症として残ることがあるので注意が必要です。
合併症には睾丸の痛みと拡大もあります。
思春期以降に感染した男性の約20%で精巣炎・副精巣炎を発症します。
おたふく風邪の予防と治療
おたふく風邪は初期症状段階での治療が大切です。
次に、予防や治療につて紹介します。
流行性耳下腺炎(おたふく風邪)予防にはワクチン接種があります。
日本でのワクチン接種は任意接種になっているのでワクチンは単独接種になります。
公費助成が行われている自治体もあります。
ワクチン接種後に流行性耳下腺炎(おたふく風邪)を発症するケースの多くは二次性ワクチン不全と考えられています。
世界の多くの国では2回接種で二次性ワクチン不全を防いでいます。
流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の予防の目的で、世界中で予防接種が定期的に行われています。
日本では、ワクチン接種が任意になっています。
日本でのワクチンの接種率は約20~30%とされています。
ワクチン接種率が低いことから、初感染が高年齢となり合併症を伴う成人ムンプスの増加が問題視されています。
流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の治療法では、首やほかの腫脹箇所を冷やしたり暖めたりして症状が軽減するなどがされます。
鎮痛剤の投与ほか症状に応じて対処します。