指のできものはイボ、魚の目、タコ、それとも違う病気?
指にできる“できもの”や“おでき”は皮膚腫瘍と呼ばれています。
指にできる“できもの”のようなものには、「魚の目」・「イボ」・「タコ」・「粉瘤(アテローム)」・「ほくろ(母斑)」・「血管拡張性肉芽腫」などがあります。
「タコ」は「魚の目」と間違いやすいですが心配いりません。
「タコ」は、長期間、皮膚の同じ部分に圧迫や摩擦などの機械的刺激が繰り返し加わり続けてできます。
皮膚の表面にはバリアの役割をする「角質層」があります。
角質層には、物理的な刺激・紫外線・ウイルス・菌などが皮膚の内部に侵入するのを防ぐ働きがあります。
しかし、物理的刺激が繰り返し長期間続くと、物理的刺激に負けないように角質層が厚く硬くなります。
「タコ」は皮膚が厚くなっているだけなので、市販の「タコ削り」などでケアできます。
「魚の目」は「タコ」と似ていますが皮膚病変です。
「魚の目」は直径5~7mm程度の大きさになります。
魚の目のような形状で中心に硬い芯があります。
「魚の目」は進行するにつれて、中心の硬い芯が皮膚の中に食い込むように伸びます。
「魚の目」が皮膚の中に食い込むので触ると痛みを感じるようになります。
「魚の目」は病院で中心部の芯を完全に取り除く必要があります。
一般的には「魚の目」は大人の足の裏や指にできます。
手の「魚の目」は他の皮膚病の可能性もあるので皮膚科での診察をおススメします。
次に、指の“できもの”について紹介します。
指の“できもの”のイボ・ほくろ
指にできる“できもの”のイボ・ほくろ(母斑)を紹介します。
「魚の目」と間違えやすい“できもの”に「イボ」があります。
多くの種類がある「イボ」の中でも手足にできるのはウイルス性のものが多くなります。
指にできる「イボ」の正式名は「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」といいます。
「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」は、「ヒトパピローマウイルス」が皮膚の小さな傷口などから感染して発生します。
尋常性疣贅はヒトパピローマウイルスへの感染なので削っても治りません。
削るとほかの部分にも感染してイボが増えてしまいます。
イボを削ると出血します。
皮膚科での治療をおススメします。
「ホクロ(母斑)」は、約直径1cmまでの小さな「あざ(母斑)」のことです。
「ホクロ(母斑)」がでても基本的には問題ありません。
「ホクロ(母斑)」が月日の経過とともに大きくなってきたら、「悪性皮膚腫瘍」の可能性があるのでスグに皮膚科での診察を受けてください。
粉瘤(アテローム)
指の“できもの”には粉瘤(アテローム)があります。
粉瘤(アテローム)は、皮膚の良性腫瘍なので必ず治療しなければいけないことはありません。
粉瘤(アテローム)は、表皮にできた嚢胞と呼ばれる袋状の中に古い角質が溜まってしまった状態です。
粉瘤(アテローム)は、医学的には「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」と呼ばれています。
皮膚の良性腫瘍のなかでもっとも多いのが粉瘤(アテローム)と言われています。
粉瘤(アテローム)は、性別や年齢を問わず誰でもできます。
粉瘤(アテローム)は自然に消滅しません。
放置すると大きくなる・炎症を起こすなどもあります。
粉瘤(アテローム)は、できるだけ小さいうちに皮膚科で処置してもらうのがおススメです。
血管拡張性肉芽腫
指の“できもの”には血管拡張性肉芽腫もあります。
血管拡張性肉芽腫は、出血しやすい肉芽が異常に盛り上がっている状態です。
血管拡張性肉芽腫は、子どもや若年層の割合が比較的多い病気です。
妊婦にも多く発症しますが高齢者はほとんど発症しないのが特徴です。
鮮赤色や暗赤色の小さなしこりが突然できて2週間~数週間で急激に増大して大きさが一定になります。
血管拡張性肉芽腫の大きさは5~15mm程度です。
薄い膜に覆われた腫瘤で柔らかく隆起しています。
少しの傷で出血したり湿ってジクジクとしてるケースもあります。
血管拡張性肉芽腫は、自然治癒はほとんどありません。
皮膚科の治療では、電気メスで焼き取ったり、切除をおこなったりします。