溶血性貧血の原因と治療方法
溶血性貧血とは、血中の赤血球が破壊されて起こる貧血になります。
溶血とは赤血球が破壊されることです。
溶血性貧血には先天性と後天性があります。
先天性の溶血性貧血は血中の赤血球自体に原因があります。
後天性の溶血性貧血は、血中の赤血球自体は正常ですが赤血球を破壊する要因が加わることを原因にしています。
先天性の溶血性貧血は内因性の溶血性貧血とも呼ばれます。
後天性の溶血性貧血は外因性の溶血性貧血とも呼ばれます。
先天性(内因性)の溶血性貧血では赤血球に問題があるので赤血球が脾臓で破壊されてしまいます。
後天性(外因性)の溶血性貧血では、赤血球に対する自己抗体で赤血球が破壊されるケースが過半数を占めています。
自己抗体で赤血球を破壊する貧血は自己免疫性溶血性貧血と呼ばれます。
溶血性貧血で最も患者数が多いのは、後天性(外因性)の自己免疫性溶血性貧血です。
日本では1年間に数百人の自己免疫性溶血性貧血が発症していると予測されています。
次に、溶血性貧血について紹介します。
後天性の溶血性貧血
最も患者数が多いのは後天性(外因性)の溶血性貧血です。
後天性の溶血性貧血にはスポーツによるものがあります。
剣道・マラソン・バスケット・バレーなどの運動によって起こるものが多いようです。
スポーツによる溶血性貧血では、足の裏への強い衝撃が反復して加わる長時間のマラソンなどを続けていると起こる場合があります。
剣道などでは、素足で勢いよく踏み込む練習や試合をします。
このように走る事を日課にしているランニング愛好家や剣道愛好家などに溶血性貧血が発症するケースがあります。
スポーツによる溶血性貧血では、赤血球を破壊してしまう原因を取り除くことで治まります。
溶血性貧血の症状
溶血性貧血が進行すると赤血球の量が減少します。
スポーツを続けているのに、息切れ・動悸・めまい・倦怠感・頭痛などの貧血症状がでたら病院での診察をおススメします。
放置すると黄疸が現れます。
黄疸症状とはビリルビンという黄色い色素が血液中に増えることでおこります。
手や足の皮膚・白目などが黄色くなる症状になります。
溶血が激しくなると発熱・腰痛が起きて尿が赤くなるヘモグロビン尿などの症状が現れます。
溶血が激しくなるとショック状態を引き起こすこともあります。
犬の免疫性溶血性貧血
犬にも免疫介在性の溶血性貧血があります。
マルチーズ・オールドイングリッシュシープドッグ・プードル・コッカースパニエル・シーズー・アイリッシュセッターなどの犬種に多く見られる貧血症状です。
犬の雌雄ではメスに多い傾向があります。
免疫性溶血性貧血の疑いがある犬は、
・元気がなくなってきた・疲れやすくなった・運動嫌いになった
・すぐに息切れをする・多飲・多尿・食欲の低下・嘔吐・黄疸
・呼吸が速い・脈が速いなどの症状があります。
前に比べて元気がなくなって多飲・多尿・食欲の低下が見られたら動物病院での診察をおススメします。