なぜ炭はニオイを脱臭する? ずっと消臭可能? 消臭能力は落ちる?
炭(すみ)は嫌な匂いを脱臭します。
なぜ炭は脱臭に役立つのでしょうか。
炭の消臭効果は復活できるのでしょうか。
炭は「炭素」を主成分とする可燃物になります。
有機物が蒸し焼きになり炭化することで炭になります。
炭には、木炭・竹炭・ヤシガラ炭などがあります。
広義の炭は、炭素を主成分とする燃料全般を意味します。
木炭や竹炭だけでなく、石炭・泥炭・練炭・コークスなども炭に含まれます。
脱臭に使うのは木炭(もくたん)が多くなります。
木炭は、木材を蒸し焼きにして炭化させて作ります。
木炭(もくたん)は冬の季語にもなっています。
木炭を使っていた歴史は古く、日本では新石器時代の頃から用いられていたと推定されています。
古代の炭には、和炭(にこずみ)・荒炭(あらずみ)・炒炭(いりずみ)の3つが使われていたようです。
「和炭」は、木材を積み重ねて火をつけた後に土をかけて蒸し焼きにする伏炭法で作ります。
「荒炭」は、土や石で築いた炭窯で焼いたり、硬質の木材を伏炭法で焼いて作ります。
「炒炭」は、和炭・荒炭を2度焼きして作ります。
和炭は、製鉄・冶金用に使われたようです。
荒炭や炒炭は、暖房・炊事用に使われたようです。
炭は製鉄・治金・暖房・炊事などに使われるだけでなく。防腐・防湿や飲料水の濾過など広範の用途に用いられていたようです。
次に、木炭のこと・炭は匂いを脱臭するのはなぜ・炭の消臭効果は復活する?などの紹介をします。
木炭
日本の木炭は、約400℃の温度で炭化をすすめた後に「ネラシ」をして作ります。
白炭つくりでは、空気を入れて未炭化成分を焼き飛ばす「ネラシ」を行います。
黒炭つくりでは、は密閉した炉内で時間をかけて炭化を上げる「ネラシ」を行います。
木炭には、白炭・備長炭・黒炭・オガ炭・竹炭・活性炭などがあります。
白炭は、カシ系の硬い木材でつくります。
白炭は、叩くと鉄琴のような金属音がします。
白炭の仲間に備長炭があります。
備長炭は、紀伊国田辺の商人であった「備中屋長左衛門(備長)」が販売したことが名前の由来とされています。
黒炭には、ナラ系の木材が多く使われています。
黒炭は、白炭よりも炭素以外の成分が多く残っていることから火力があります。
黒炭は、比較的着火しやすて燃焼時間も1~2時間程度なので、バーベキュー(パーティー)など肉料理で使われることが多いようです。
オガ炭は、オガクズを加熱圧縮して製造された成型薪「オガライト」を炭化させたものになります。
竹炭は、竹で作った炭です。
活性炭(かっせいたん)には、吸着効率を高めるために化学的または物理的な処理をしてあります。
活性化・賦活を施した多孔質の炭素を主な成分としています。
活性炭は、特定の物質を選択的に分離・除去・精製するなどの目的で用いられます。
次に、炭は匂いを脱臭するのはなぜ・炭の消臭効果は復活する?などの紹介をします。
炭で脱臭
炭は嫌な匂いを脱臭する働きがあります。
備長炭や活性炭などは脱臭効果が高いので、家庭の嫌な臭い対策として手軽に使われています。
なぜ炭には消臭効果があるのか気になりますね。
また、炭の消臭効果は復活するのかも気になります。
備長炭や活性炭に消臭効果があるのは、炭の表面に、目には見えないミクロの穴が無数に空いるからです。
炭に空いているミクロの穴が、悪臭成分を強力に吸着して脱臭します。
エステーの「脱臭炭」には備長炭が使われているとされています。
備長炭のミクロの穴の表面積は、1g当たりで約100㎡と言われています。
表面積当たりのミクロの穴が多いので非常に高い脱臭効果を発揮するようです。
脱臭効果抜群のミクロの穴ですが、ミクロの穴が悪臭成分を大量に吸着すると、消臭効果は次第に低下していきます。
炭の消臭効果の復活
炭は嫌な匂いを脱臭する働きがあります。
なぜ炭には消臭効果があるのか子供に聞かれたら、炭の表面のミクロの穴が嫌な臭いを吸着しているからと答えてください。
悪臭成分を大量に吸着すると消臭効果が落ちますが、消臭効果の復活はあるのでしょうか。
脱臭効果の持続期間は、炭の「表面積」・「使用量」・「悪臭濃度」によって異なるとされています。
消臭効果を見た目で判断するのは難しいので、炭の消臭の効き目が感じられなくなったら復活させた炭と取り替えるのが適切なようです。
炭の消臭効果を復活させる方法には「煮沸」があります。
たっぷりの沸騰させたお湯に炭を入れて、10分程度煮沸すれば消臭効果が復活するようです。
煮沸した炭はシッカリと乾燥させればOKです。