年賀状が広まった由来と歴史
新年の挨拶を書いた年賀状を出したことがない人は少ないのではないでしょうか。
新年の挨拶のために多くの人が年賀状を書きますが、年賀状の由来や歴史を知っている人は少ないのではないでしょうか。
昔は多くの人が書いていた年賀状ですが、最近の若者や子供たちは電子メールで年賀を送るそうです。
IT社会の発展と共に年賀状のスタイルも変化しているようです。
年賀状のスタイルは変化しても、年賀の風習は残ってもらいたいと思います。
次に、年賀状の由来や歴史の紹介をします。
年賀状
年賀状(ねんがじょう)の由来や歴史を知れば、電子メールで年賀をするより年賀はがきを選ぶかもしれませんね。
年賀状は、新年に送られる郵便葉書やカードを用いた「年賀」のあいさつ状になります。
「年賀」には、長寿を祝う年祝いの意味と1年の初めに行う儀礼的な挨拶などの意味があります。
年賀状を出すことで、新年を祝う言葉をつかって挨拶します。
旧年中の厚誼の感謝と合わせて、新しい年に変わらぬ厚情を依願する気持ちを込めて年賀状を送ります。
旧年中の感謝と新年の厚情の気持ちに加えて、親しい相手の場合などには近況を書き添えることもあります。
年賀状の風習があるのは日本だけではありません。
日本の近隣諸国の台湾・中国・韓国などにも日本の年賀状と似た風習があるようです。
欧米には日本の年賀状のような風習はないようです。
欧米などでは、クリスマス・カードやグリーティングカードが知られています。
欧米ではクリスマスと新年のあいさつ一緒に済ませてしまうようです。
年賀状の由来
日本の年賀状の由来は明確ではありません。
奈良時代の頃には新年の「年始回り」という年始のあいさつをする行事があったようです。
平安時代頃には新年の「年始回り」行事の風習が貴族や公家にも広まったようです。
新年の挨拶が行えない遠方の人に対して、年始回りに代わるものとして文書による年始挨拶が行われるようになったのが始まりではないかと考えられています。
江戸時代の武家社会では文書による年始挨拶が一般化していたようです。
非武家社会でも口頭の代用として簡易書簡を用いることが年始挨拶では一般的になりました。
公的郵便手段である飛脚や使用人を使った私的手段を使って、年始挨拶の文書が運ばれていた記録があります。
江戸時代になると付き合いが広くなって、書状で挨拶を済ませることが増えたようです。
新年を祝う書状を届けるのには飛脚が大活躍しました。
江戸時代になると玄関に「名刺受け」を設置して、不在時にはお祝いの言葉を書いた名刺を入れてもらうという簡易スタイルも登場しています。
現在では、仕事の年始回りで「謹賀新年」など賀詞入りの名刺を「名刺受け」に入れますね。
年始回りを簡略化したものが年賀状のルーツだと考えられています。
次に年賀状の歴史を紹介します。
年賀状の歴史
年賀状の由来は、貴族や公家が行っていた新年の「年始回り」風習が一般化して、付き合いが広くなった人が書状で挨拶を済ませるようになったことが始まりのようです。
年賀状の歴史は古く平安時代になるようです。
現存する日本最古の年賀状といわれるのがあります。
平安時代の学者の「藤原明衡」が作った手紙の文例集「庭訓往来」の中にある正月の文例にあります。
文例集「庭訓往来」には、「春の始めの御悦び、貴方に向かってまず祝い申し候」(春始御悦向貴方先祝申候訖)と書いてあります。